Red Umbrella

先日、とある転職希望者からの相談を受けた。

個人情報への配慮から詳細は書けないが、端的に言うと、

「転職したいが、妻の反対が怖くて切り出せない」

という内容だ。

冷たく返すなら、

「その程度の勇気や覚悟がないなら転職なんてやめとけ」
「重要な話を腹を割って話せないような夫婦なら別れてしまえ」

といった極論になってしまうのかもしれないが、人それぞれ、夫婦や家庭ごとに色々と事情を抱えているので、そんな簡単に結論が出せるものではない。

色々と話を聞いていくと、妻が反対する理由そのものよりも、夫婦間のコミュニケーションに問題があるように感じた。

妻や家族が日々労力を費やし、神経をすり減らしている問題に対し、相談者は関心を示さず、妻が期待するほどの助力をしていない。
そこに相談者が自分の問題を持ち込んでも、素直に話を聞いてもらえるわけはない。
仮に相談者が述べる転職理由を頭では理解していたとしても、気持ちの上で賛同したくないという心理が働くだろう。

ただ、相談者の話を聞いていると、決して妻や家族の問題に関心がないわけではない。
しかし、男の不器用さか、それがうまく妻に伝わっていないのだろう。

おそらく妻は、こうして相談者が悩み、転職エージェントに相談に来るところまで思いつめているとは考えもしていないに違いない。

一通り話を伺ったあとで、「妻に転職を切り出す方法」ではなく「妻が抱える問題について、一緒に問題を解決したいという意思を伝えることから始める」ことをアドバイスをした。
そんなに簡単にいくものではないと思うが、まずは一歩を踏み出すことだ。
その結果、妻を味方につけることができれば、相談者の問題解決にも理解を示してくれるかもしれない。

相談者の家庭が一体感のあるチームへと変わるきっかけとなることを切に願うばかりである。

余談ではあるが、相談を受けながら、私自身も妻へのふるまいを省みていたことは言うまでもない。

Red Umbrella / Jonathan Kos-Read